秋田県漬物協同組合は、昭和49年に秋田県の漬物食品業の発展と地域社会の振興の寄与を目的に県内の漬物製造業、漬物卸売業、漬物小売業者により法人格を得て秋田県漬物協同組合として設立をみました。 漬物は本県の特産品であり「いぶりがっこ」をはじめ大根漬、きゅうり漬、山菜漬、またこれらの味噌漬、醤油漬、酒粕漬などがあります。 それらの伝統漬物を継承しかつ時代のニーズにこたえたものづくりや生産者の技術向上、育成を目途に全日本漬物協同組合連合会や秋田県いぶりがっこ振興協議会、秋田県や中央会の助成と相俟って将来に向けた需要基盤の拡大に努めています。 令和元年5月には「いぶりがっこ」が、地理的表示(GI)保護制度に登録されました。GI保護制度は、地域に根ざした産品の名称を保護し「いぶりがっこ」の価値を次世代へ伝え育てるための制度であり、当組合においても積極的に取り組んでいます。 |
お知らせ
*いぶりがっこの地理的表示(GI)保護制度
地理的表示(GI)保護制度とは
「いぶりがっこ」は令和元年、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示法)に基づき、地理的表示(GI)保護制度(登録番号第79号)に登録されました。
このGI保護制度は、地域に根ざした産品の名称を保護し「いぶりがっこ」の価値を次世代へ伝え育てるための制度です。この制度に登録され、GIの基準を満たしたものだけが原則「いぶりがっこ」の表示ができることになります。
秋田県漬物協同組合の会員が生産している製品はすべて地理的表示法GIによる生産管理基準を満たしており「いぶりがっこ」の表示とともにGIマークが表示されます。
いぶりがっことは
いぶりがっこは秋田を代表する漬物
「いぶりがっこ」とは 秋田県の内陸南部地方に伝わる秋田を代表する漬物です。 原料の生の大根を囲炉裏の天井につるし楢(ナラ)や桜(サクラ)等の広葉樹の薪を焚き、燻煙乾燥という独特の乾燥法で昼夜干していきます。 しっかりと干し上げた大根を主に米糠、塩、ザラメ等の材料で樽に漬け込み、低温で2ヶ月以上発酵熟成させてつくります。 仕込みにあたって使用する添加物は自然由来のもの使用します。
「いぶりがっこ」は独特の色合いと風味に特徴があり「いぶり漬け」、「いぶり沢庵」とも呼ばれています。 一般的にたくあん漬けをつくる際は原料の大根をあらかじめ天日干しにしてある程度の水分を抜く必要がありますが、 本県内陸南部の山間地では降雪の時期が早く大根を戸外で充分に干すことができず室内に吊るし囲炉裏火の熱と煙で干したものが始まりと云われています。
きれいに水洗いした大根を手作業で編み込みます。「いぶりがっこ」は鮮度が命です。畑で収穫された翌日の夕方までには薫煙の火入れをしなくてはなりません。
吊り下げられるよう8本~10本を手早く紐で編み込みます。 大根の鮮度を落とさないように段取り良く、手早く、ひと綴り10キロにもなる大根の束をかけ声とともに燻小屋の天井に吊り下げていきます。 大根を1本1本紐で編み込み天井に吊るした後、楢(ナラ)や桜(サクラ)等の薪を焚き4-5日間昼夜、熱と煙で燻煙乾燥します。この「燻し」こそが「いぶりがっこ」最大の特徴である独特の色合いと燻製の風味をもたらす重要な工程になります。
燻し用の薪は広葉樹を使用します。楢(ナラ)や桜(サクラ)等を用いることで大根は渋みのない甘く香ばしい香り包まれます。その他欅(ケヤキ)、林檎(リンゴ)を用いることもありますが使用する薪の種類でそれぞれの風味が楽しめます。(杉や松等の針葉樹は含まれる成分により刺激臭がつくため適しません。)
燻し作業において火の調整と管理はとても重要です。はじめは強火で2-3日燻します。その後を弱火にしていくのですが火力が強すぎると大根が早く乾燥しすぎて燻製の匂いが付きにくくなり、火力が弱いと煙臭くなります。また、大根が満遍なく燻されるよう火の位置を変える作業も必要です。
燻した大根の表面の煙や煤をきれいに洗い流した後、米糠、塩、ザラメ等と樽の中に漬け込んでいきます。重石をのせて大根の水分を吐かせながら、乳酸発酵をうながします。
そして冬場の冷気にさらして2ヵ月以上ゆっくりと発酵させます。低温でゆっくり発酵させた「いぶりがっこ」は酸味が少なくまろやかでコクのある独特な風味になります。
「いぶりがっこ」に含まれる「植物性乳酸菌」は腸内環境を整える善玉菌の一種です。生きたまま腸に届く可能性が高いと言われており消化の促進と免疫力の向上が期待できます。
大根を原料とし米糠に漬けてつくる「いぶりがっこ」には「ビタミン」や「ミネラル」、「食物繊維」が豊富に含まれています。
さらに抗ストレス作用があると言われる「天然アミノ酸GABA(ギャバ)」も含まれていますので美容と健康にもおすすめです。
また、燻製工程で生成される「フェノール化合物」と「カルボニル化合物」の働きにより「抗菌・雑菌・保存性」の上昇につながると云われています。
「いぶりがっこ」の食べ方はご飯のお供はもちろんのこと「いぶりがっこのクリームチーズのせ」がおすすめです。
「いぶりがっこ」と「クリームチーズ」は、同じ発酵食品ですのでとても相性が良いのです。
「いぶりがっこ」を輪切りにして「クリームチーズ」をのせるだけで簡単につくれます。(お好みで黒胡椒を少々)
ワインやビールとのおつまみとして美味しく召し上がれます。
また「いぶりがっこ」を刻んでタルタルソースやパスタとあえもとても美味しいです。
秋田の主な特産漬物は「いぶりがっこ」の他、「大根漬」、「きゅうり漬」、「山菜漬」等で、またはこれらの味噌漬、醤油漬、酒粕漬があります。
それらの中で本県を代表する漬物として、「茄子の花ずし」、「大根のなた漬け」をご紹介します。 「茄子の花ずし」とは本県県の内陸南部地方に伝わる漬物で、茄子にもち米と菊の花をのせ、最後に鷹のつめの輪切りをのせてお花のように仕上げたお漬物です。
菊の香りが爽やかで見た目にも色鮮やかな漬物です。 また「大根のなた漬け」は生大根を厚刃のなたで乱きりにすることから「なた漬け」と云われ、塩と甘酒や米麹で漬け込みます。
ザラザラと荒い切り口から漬かりやすく糀の旨味が染みこみ、ザクザクと歯触りの良い美味しいお漬け物です。
心地良いの食感と爽やかな風味が楽しめます。
全日本漬物協同組合連合会(以下、全漬連)では漬物製造・販売に従事する者の技術・技能及び知識の程度を公正に評価し
さらに必要な技術・技能等の向上と文化の継承および新たな技術の発展への貢献と漬物業界の経済的、社会的地位の向上に資することを目途とした
漬物製造管理士制度を構築し技能評価試験を実施しています。 全日本漬物協同組合連合会会員で原則として漬物製造管理職種に関する実務経験が必要です。この実務の経験の範囲の範囲には、職場での作業のみならず営業、管理、監督、訓練、教育及び研究等の業務の期間が含まれます。受検する場合は事業主の経験証明書を添付する必要があります。※当組合会員は、全漬連の正会員です。
いぶりがっこの作り方
1.大根を洗う
「いぶりがっこ」の原料となる大根は、国内産の白首大根を用います。10月-12月初旬にかけて収穫した大根の葉を落とし冷水で丁寧に洗浄します。
2.生の大根を紐で編む
3.編み込んだ大根を吊り下げる
4.いぶりがっこの燻しについて
5.いぶりがっこの漬込みについて
いぶりがっこと栄養成分
いぶりがっこの効果
いぶりがっこの食べ方
いぶりがっこのおすすめレシピ
いぶりがっこと並ぶ本県の伝統漬物「茄子の花ずし」「大根のなた漬け」のご紹介
「茄子の花ずし」「大根のなた漬け」とは
漬物製造管理士
漬物製造管理士・技能評価試験とは
技能評価試験の受検資格について
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(株)ATS