秋田の漬物(秋田では漬物を「がっこ」と呼びます)
秋田の代表的なお漬物といえば「いぶりがっこ」
いぶりがっことは、秋田県の内陸南部地方に伝わる伝統漬物で、大根や人参を囲炉裏の天井につるし燻煙乾燥という独特の乾燥法で燻製にし米糠と塩で漬け込んだものです。
風味に特徴があり、「いぶり漬け」や「いぶり沢庵」とも呼ばれています。
いぶりがっこは、本県の気象条件・風土が育んだ知恵の産物と言えます。晩秋から初冬にかけて本県内陸部は晴天の日が長く続かず、天日乾燥法による干し大根の製造には適していないことから、その対処方法として考え出されたものです。 秋大根を細ひもで編み、天井に吊り下げてゆきナラや桜等の木を囲炉裏に燃やすと独特の香りが大根を 包み込み、 その囲炉裏火で夜間も余熱を残しつつじっくりと水分がぬける程に香りがついていきます。いぶりがっこはクリームチーズをのせるとワインとの相性が抜群です。また、いぶりがっこ風味のポテトチップスやドレッシング等の加工品も登場しその魅力はますます増えています。いぶりがっこの新たな魅力を体験してください。
秋田、県南地区伝承の漬物「花ずし」
花ずしは、秋田県南地区伝承の漬物です。いぶりがっこと並ぶ秋田の代表的な漬物で、茄子の青紫色と菊の黄色がのコントラストがきれいな漬物で茄子に餅米と菊をのせた姿から”花ずし”と云われます。秋頃に菊の花が咲き始めると花ずしの仕込みが始り、夏に仕込んだ塩蔵茄子の塩を抜きます。
茄子の上に餅米と糀をのせその上に菊の花をのせます。ひとつずつ樽にきれいに並べて輪切りの唐辛子を飾り漬け込まれます。古の美食の感覚をご賞味ください。
秋田の”大根の生漬け”といえば「なた漬け」
なた漬けは、 秋田の代表的な生漬けで生大根を厚刃のなたで乱きりにすることから「なた漬け」と云われています。塩と甘酒や米麹で漬け込みます。ザラザラと荒い切り口から漬かりやすく糀の旨味が染みこみ、ザクザクと歯触りの良い漬け物です。 …昔の漬け屋は隙間だらけで冷たい風が吹き込んだのでしょう。
なた漬けを樽から出すのに氷を割って出したそうです。ザクッ、ザクッっと厚刃の”ナタ”で大根をひび割れさせながら削り米麹を主体に加えて重石をのせてあとは自然まかせ、秋田の美味しい水や空気、ふんわりと漬け屋を包んだ粉雪がゆっくりと美味しいなた漬を造ってくれます。「なた漬」は冷やし洗わずにそのままご賞味ください。