「いぶりがっこ」とは、秋田県の内陸南部地方に伝わる秋田を代表する漬物です。原料の生の大根をいろりの天井につるし、楢(ナラ)や桜(サクラ)などの広葉樹のまきを焚き、燻煙乾燥という独特の乾燥法で昼夜干していきます。しっかりと干し上げた大根を主に米糠、塩、ザラメなどの材料で樽に漬け込み、低温で2カ月以上発酵熟成させてつくります。仕込みにあたって使用する添加物は自然由来のものを使用します。
「いぶりがっこ」は独特の色合いと風味に特徴があり、「いぶり漬け」、「いぶり沢庵」とも呼ばれています。一般的にたくあん漬けを作る際は原料の大根をあらかじめ天日干しにしてある程度の水分を抜く必要がありますが、本県内陸南部の山あい地では降雪の時期が早く、大根を戸外で十分に干すことができず、室内に吊るしいろり火の熱と煙で干したものが始まりと云われています。
「いぶりがっこ」の原料となる大根は、国内産の白首大根を用います。10月から12月初旬にかけて収穫した大根の葉を落とし、冷水で丁寧に洗浄します。
水洗いした大根を手作業で編み込みます。「いぶりがっこ」は鮮度が命です。畑で収穫された翌日の夕方までには薫煙の火入れをしなくてはなりません。吊り下げられるように8本~10本を手早く紐で編み込みます。
大根の鮮度を落とさないように、段取り良く手早く、ひと綴り10キロにもなる大根の束をかけ声とともに燻小屋の天井に吊り下げていきます。
大根を1本1本紐で編み込み天井に吊るした後、楢(ナラ)や桜(サクラ)などのまきを焚き4~5日間昼夜、熱と煙で燻煙乾燥します。この「燻し」こそが「いぶりがっこ」最大の特徴である独特の色合いと燻製の風味をもたらす重要な工程になります。 燻し用のまきは広葉樹を使用します。楢(ナラ)や桜(サクラ)などを用いることで大根は渋みのない甘く香ばしい香りに包まれます。その他、欅(ケヤキ)や林檎(リンゴ)を用いることもありますが、使用するまきの種類によってそれぞれの風味が楽しめます。(杉や松などの針葉樹は含まれる成分により刺激臭がつくため適しません。) 燻し作業において火の調整と管理はとても重要です。はじめは強火で2~3日燻します。その後は弱火にしていくのですが、火力が強すぎると大根が早く乾燥しすぎて燻製の匂いが付きにくくなり、火力が弱いと煙臭くなります。また、大根が満遍なく燻されるよう火の位置を変える作業も必要です。
燻した大根の表面の煙や煤をきれいに洗い流した後、米糠、塩、ザラメなどと樽の中に漬け込んでいきます。重石をのせて大根の水分を吐かせながら、乳酸発酵を促します。そして冬場の冷気にさらして2ヵ月以上ゆっくりと発酵させ完成です。低温でゆっくり発酵させた「いぶりがっこ」は酸味が少なくまろやかでコクのある独特な風味になります。
そのまま、ご飯のお供にはもちろんのこと「いぶりがっこのクリームチーズのせ」がおすすめです。いぶりがっことクリームチーズは、同じ発酵食品ですのでとても相性が良いのです。いぶりがっこを輪切りにしてクリームチーズをのせるだけで簡単に作れます。(お好みで黒胡椒を少々)ワインやビールのおつまみとして美味しく召し上がれます。また「いぶりがっこ」を刻んでタルタルソースやパスタと和えてもとても美味しいです。
天然由来のギャバ(GABA)が含まれています。また、「いぶりがっこ」に含まれる「植物性乳酸菌」は腸内環境を整える善玉菌の一種で、生きたまま腸に届く可能性が高いと言われており、消化の促進と免疫力の向上が期待できます。さらに、抗ストレス作用とリラックス効果をもたらすと言われている「天然アミノ酸GABA(ギャバ)」も含まれていますので、美容と健康にもおすすめです。
「いぶりがっこ」は令和元年、特定農林水産物などの名称の保護に関する法律(地理的表示法)に基づき、地理的表示(GI)保護制度(登録番号第79号)に登録されました。このGI保護制度は、地域に根ざした産品の名称を保護し、「いぶりがっこ」の価値を次世代へ伝え育てるための制度です。
この制度に登録され、GIの基準を満たした者だけが原則「いぶりがっこ」の表示ができることになります。秋田県漬物協同組合の組合員が生産している製品はすべて地理的表示法GIによる生産管理基準を満たしており、「いぶりがっこ」の表示とともにGIマークが表示されます。
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全日本漬物協同組合連合会(以下、全漬連)では、漬物製造・販売に従事する者の技術・技能および知識の程度を公正に評価し、さらに必要な技術・技能などの向上と文化の継承、および新たな技術の発展への貢献と漬物業界の経済的・社会的地位の向上に資することをめどとした漬物製造管理士制度を構築し、技能評価試験を実施しています。
受験資格は、原則、全漬連の会員で漬物製造管理職種に関する実務経験が必要です。この実務経験の範囲には、職場での作業のみならず営業、管理、監督、訓練、教育および研究などの業務の期間が含まれます。受験する場合は事業主の経験証明書を添付する必要があります。
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日本でもっとも古い加工食品、漬物。日本各地の多様な食文化に育まれ、健康によい食品としても改めて注目されています。 「漬物グランプリ」は、日本人の食卓にかかせない漬物のレシピを募集し、漬物文化の魅力・価値を正しく伝え、健康促進にもつながる四季の味として優れた作品を表彰し、広く訴求するものです。
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(有)石川食研
鹿角市花輪字級ノ木2-2
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外ノ目漬物研究会
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